NEWS & INFORMATION京の温所からのお知らせ

【京の温所 麩屋町二条】2月16日(水)からは美術作家 芳木麻里絵の作品を展示します

「京の温所 麩屋町二条」では2022年2月16日(水)より京都を拠点に活動する美術作家 芳木麻里絵の作品を展示いたします。
京町家ならではの床の間をはじめ、宿内の数カ所に作品を点在させ展示する予定です。

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これまで「光の印影」や「独特の質感を感じさせる表層」をキーワードに版画技法の一つであるシルクスクリーンを用い、インクを数百回刷り重ねることで立体的な作品を制作してきた芳木麻里絵。
1日1組だけがゆっくりと作品をご鑑賞いただけるこの機会に、皆さまのご滞在お待ちしています。

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【今回の展示によせて 芳木麻里絵】
今回の展示では、2020年ワコールスタディホール京都で開催した個展「 fond de robe-内にある装飾-」に出品した作品を、京の温所麩屋町二条の空間にあわせて再構成しています。展示の中心となるのは、公益財団法人京都服飾文化研究財団(KCI)が保管している下着の原型とも言われる1920年代のブラジャーやスリップに見られるレースと、ワコールが現在展開しているプレステージブランド「トレフル」の下着に用いられているレースをモチーフとした作品です。衣服の下で身体を支える土台的な役割を担う下着(=fond de robe )の装飾の様相から、100 年前と現代と女性の時代背景や価値観の基盤を紐解くことを試みました。

第一次大戦期に労働力として社会進出した女性のために、それまでのコルセットに変わり現代的なブラジャーが生まれたように、下着は女性の社会的地位の変遷とともに変化を続けました。戦後は、機械織りによるレースの製造が広まり、多くの女性の手にレースが届くようになり、下着への意識も変化しはじめました。外からは見えないものの、下着は各時代における女性の社会的ステータスや価値観を反映しています。

展覧会のコンセプトを構想するきっかけなどを京都服飾文化研究財団(KCI)発行の「服をめぐる」で掲載いただきました。作品と合わせてご覧いただけますと幸いです。

※「Trèfle(トレフル)」は、2021年春夏シーズンコレクションをもちまして終了いたしました。

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【作品について 芳木麻里絵】
スマートフォンが日常化し、私たちはディスプレイに映し出される奥行きを欠いたイメージによって世界を認識しながら生活するようになってきました。かつてアーティストたちが現実世界の生々しい印象を二次元の絵画に描きとどめたように、二次元化した世界の印象を再び三次元のイメージへと析出することは可能でしょうか。

これまで(写真の中の)光の陰影やきらめきが生み出す現象や、独特の質感を感じさせる表層、そして被写界深度の浅さが引き起こすボケ感といったイメージ固有の現象に着目し、本来は厚みを持たないイメージに物質性をともなった奥行きを与えようとシルクスクリーン技法を用いて制作してきました。

その中でもレースは、光の陰影や透過性による表情の豊かさから、二次元的でありながら三次元的な存在として主要なモチーフの一つになっています。

芳木麻里絵|YOSHIKI Marie
http://yoshikimarie.com/

2006 京都精華大学芸術学部造形学科版画コース 卒業
2008 京都市立芸術大学美術研究科修士課程 修了

京都在住

■主な展覧会

・個展
2022「星をみる」SAI Gallery 大阪
2021「Precipitation」私立大室美術館 三重
2020「fond de robe-内にある装飾-」ワコールスタディホール京都ギャラリー 京都
2019「Precipitation-析出する光-」SAI Gallery 大阪
2019「析出する光 芳木 麻里絵 個展」奈義町現代美術館 岡山
2017「触知の重さ-Living room-」SAI Gallery, 大阪

・グループ展
2022「越後妻有 大地の芸術祭 2022」新潟 予定
2021「フロム・ジ・エッジ ―80年代鹿児島生まれの作家たち」鹿児島市立美術館 鹿児島
2018「姫路市民美術塾 コレクションと対話する Surface is ...」企画:姫路市立美術館 姫路市民ギャラリー特別展示室 兵庫
2017「MESSAGE2017 南九州の現代作家たち」都城市立美術館 宮崎
2016「VOCA展2016 現代美術の展望 - 新しい平面の作家たち」上野の森美術館 東京
2015「collection,2015 Summer」gallery A ・zone 岡山
2014「おいしいアート 食と美術の出会い」横須賀美術館
2013「韜晦とうかい~こうじゅつそのよん」スパイラルガーデン 東京
2012「REDEFINING THE MULTIPLE」 Ewing Gallery of Art&Architectr テネシー USA
2011「group show」 HOTEL ANTEROOM KYOTO 京都
2010「きょうせい」 @KCUA 京都
2009「THREE DUBS」 神戸アートビレッジセンター 兵庫
2008「gadget」 京都芸術センター 京都
2007「たからものの じょおうさま」weissfeld-Roentgenwerke 東京

・受賞歴
2012 ゲンビどこでも企画公募2012 山出淳也賞 (広島市現代美術館 広島)
2012 群馬青年ビエンナーレ2012 入選 (群馬県立近代美術館 群馬)
2007 第31回全国大学版画展 買上収蔵賞 (町田市立国際版画美術館 東京)
2006 第10浜松市美術館版画大賞展 奨励賞 (浜松市美術館 静岡)

・パブリックコレクション
Ewing Gallery of Art & Architecture(USA)
Bates Museum(USA)
京都銀行
町田市立国際版画美術館(東京)

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