京の温所 Kyo no Ondokoro

京都にある 私のもうひとつの日常

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「京の温所」という事業 ~京町家を次世代へつなぐ~

「京の温所」は2018年4月よりスタートした、京都に本社がある下着会社(株)ワコールの新しい事業です。
京都らしい町並みと風情をつくっている「京町家」を未来に残すための、私たちのチャレンジです。
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今、京都市の歴史的な街並みを象徴する京町家が次々と取り壊されています。
その数は過去7年間で5600軒以上(2017年京都市調べ)。1日当たりざっと2.2軒のペースで取り壊されている計算となります。

老朽化した古い京町家を次の世代に引き継ぐためには、瓦をすべて下ろし、柱と壁をジャッキアップして、柱の腐った部分だけ取り換え、歪みは引き起こす...などなど、おそろしく手間とお金がかかります。

遺したくても取り壊して更地にせざるをえない...そんなケースも少なくないと聞きます。
京都市の街中に点在している小さなコインパーキングは、子供や孫に遺したくても遺せなかった京町家の跡かもしれません。

ワコールが「京の温所」でしようとしているのは、そんな状況におかれている京町家を未来に残すための事業です。

昭和25年以前の伝統的な工法で建てられた京町家を、オーナー様より10年~15年の定期借家契約でお借りし、ワコールの費用にて改修を行います。

お借りしている間、ひと組一棟貸しの宿泊施設「京の温所」としてワコールが責任を持って管理・運営をすることで、改修にかかった費用を回収します。
オーナー様にはその間、家賃をお支払いし、負担なく子供や孫の世代に京町家を引き継いでいただけるようにしています。

もうひとつ「京の温所」の特徴は、10年~15年後にオーナー様にお返しした時にそのまま「住める」ことを想定して、「宿」ではなく「おうち」として改修していることです。
(もちろん、前提は法的規制(旅館業法、建築基準法など)に基づいています)

小さな坪庭を眺められる縁側。一度座ったら立ちたくなくなる掘りごたつのある和室。
静かなベッドルーム。使い勝手のいいキッチン。リラックスして食事とおしゃべりが楽しめるダイニング...
ラグジュアリーな空間ではなく、ホッとできる温かな居場所。
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それがホテルや旅館、民泊とは違う、「京都にあるおうち」に泊まるという、今までにない宿泊施設となりました。

「京の温所」に滞在すること、泊まること、楽しむこと。
それが京町家や京都の歴史ある街並み、文化を守り伝えることへとつながっていく...
京都に集うみなさまと共に、未来につながる事業へと育てていきたいと思っています。

※「京の温所」は民泊ではありません。旅館業法に則った簡易宿泊施設です。